擬岩バックボードの作り方

現在長編企画として連載中の爬虫類ケージ一体型リビングボード製作の記事では、前回やっと爬虫類ケージ部分の製作に入りました。

次のステップは各ケージに設置するバックボードの製作なのですが、内容がかなりのボリュームになりそうなので番外編として別記事でお届けします。

リビングボードの爬虫類ケージ部分

こちらがバックボードを設置するケージです。ご覧の通り全部で4つのケージがあるのでバックボードを4つ製作していきます。

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スタイロフォームでベースを製作

スタイロフォームをケージサイズにカットする

最初にスタイロフォームでベースを作っていきます。設置するケージのサイズを測り、ぴったりサイズだと設置が大変なのでケージサイズより5mmほど短めにカッターでカットします。

カットしたスタイロフォームをケージに設置

カットできたら念のためケージに仮設置してみます。この時左右が少しガタガタするくらい余裕があった方が後々設置が楽になります。

ちなみにバックボードの自作は日本であまり浸透していないようですが、海外では盛んでバックボードの自作動画がたくさんアップされています。

製作方法は様々なのですが、私の場合はスタイロフォームでベースを作り造形用のモルタルで擬岩を作る方法で製作します。全てモルタルで作るより軽量化が可能で、スタイロフォームは保温材でもあるのでガラスケージの場合は冬場の保温にも期待できます。

ギドラ氏の場合

ギドラ氏

ギドラ氏は立体行動が好きで、日中バスキングに飽きると部屋を徘徊し始めて壁や流木をクライミングし、満足するとほとんどをこの高台の上で過ごします。そのまま就寝する事もあれば屋根のある場所まで移動する事もあるので、基本は今と同じ形状のバックボードにしようと思います。

ただギドラ氏は体が小さく、ケージの広さ的には現在のバックボードにさらに造作を追加する余裕があります。そこで今回は先日手に入れた極上流木の設置を想定したレイアウトにしようと思います。

ギドラ氏のケージに使用する流木

どうですか、このかっこよすぎる流木。この流木に関してはまた後日記事にするとして、今回はこの流木ありきでバックボードのディテールを作っていきます。

発泡スチロールカッター

以前はカッターでスタイロフォームをカットしていたのですが、細かいカットが難しいのでスチロールカッターを使います。

私が使用しているのは白光のスチロールカッターで、電池式だとスタイロフォームをカットするにはパワー不足なのでAC電源タイプを使用しています。

スチロールカッターでカットしたスタイロフォーム

25mmのスタイロフォームだとサクサク切れるわけではなく、じんわりカットしていく感じですが、このようにカッターでは難しい曲線も自由自在にカットすることができます。

スタイロフォームでディテールを作り込む

ギドラ氏がどこでどんな過ごし方をするのかを想像しながら作り込んでいきます。スチロールカッターで細かくカットしてシリコンシーラントで接着していきます。

流木の周りのディテールを作り込む

この流木はかなり空洞が多く、ギドラ氏なら中を伝って上下移動できそうです。また高いところが好きなので高台も作ってあげます。

ギドラ氏のバックボードのベース完成

バックボード部分には分厚くならない程度に凹凸を作り、一通り作り込んだら全体のバランスを調整して完成です。かなり立体行動ができるバックボードになりそうです。

ただこれは体が小さなギドラ氏だからこそできる複雑なレイアウトなので、他のフトアゴたちはもう少し単純なバックボードになります。

どんぐり氏の場合

どんぐり氏

どんぐり氏は普段はあまり立体行動をせず、日中もだいたいバスキングスポット周辺で過ごし、バスキングに飽きるとケージの端に設置したシェルターの上に落ち着いてケージの外をボケーっと眺めています。また寝る場所もバラバラなのですが、隅っこの高いところで寝る頻度が多いです。

作り方はギドラ氏の時と同じ要領なので製作過程は省略しますが、Youtubeチャンネルで製作動画を公開予定です。

どんぐり氏のバックボード

こちらが全体像。向かって右側のスペースにはバスキングスポットを作ります。

手前の高台

どんぐり氏は手前(ガラス面)でケージの外を眺めるのが好きなので手前にも高台を設置しました。

どんぐり氏の避難所

またどんぐり氏は近所を救急車が通過すると物陰に隠れるので避難所も作りました。

壁面の高台

遊び心として壁面に孤立した高台を設置。ここへは流木で行き来できるようにしたいと思います。

きなこさんの場合

きなこさん

きなこさんはシェルター大好きトカゲで、好きあらばシェルターに引きこもります。しかし深めのシェルターに一度入ってしまうと朝になっても出てこなくなるので考えものです。また最近流木に登るという趣味が発覚したので、流木も上手く絡めたバックボードにしようと思います。

きなこさんのバックボード

どんぐり氏とは逆で左側がバスキングスポットになります。

きなこさんのバックボード

流木を囲うように造作を作ってみました。この流木を登って高台に移動することもできます。

高台のディテール

きなこさんは体が大きいので余裕をもたせた設計にしてみました。一体どこでどうやって過ごすのか楽しみです。

ハテナの場合

ハテナ

まだ我が家に来て間もないハテナはまだ性格がよくわからないのですが、とにかく元気一杯です。寝る時もシェルターには見向きもせず眠くなったらその場ですぐ寝てしまいます。

一応シェルターは用意しますが、なるべく広々としていて立体行動もできるようなケージ内にしようと思います。

ハテナのバックボード

どんぐり氏の上の階に入居予定のため、同じく右側がバスキングスポットになります。

ハテナのバックボード

基本は他のバックボードと同じで高台と隠れ家を作ります。今のケージ内では立体行動ができないので未知数ではありますが、普段の様子を見る限りかなり立体行動が好きな印象です。

ハテナの高台

壁際には広めの高台を設置しました。寝床と見張り場を兼ねています。

これで4台分のバックボードのベースが完成したので、シリコンシーラントが完全に乾燥するまで2〜3日待ちます。

スタイロフォームの接着に使用したシリコンシーラントが完全に乾燥したところで、次のステップである擬岩作りに進みます。

下地用モルタルを塗る

造形用のモルタルはスタイロフォームに直接塗ると定着しにくいので、先にカチオン系のモルタルを下地材としてスタイロフォームに塗ります。

カチオン系モルタルを塗る

塗る面が狭い上に細かくコテなどを使うと非常に塗りにくいので、手で直接塗りたくっていきます。かなり原始的な光景ですが、これまで何台もバックボードを製作してきた中でもこの方法がもっとも効率よくモルタルを塗ることができると判明しました。

手袋をしないと手が大変なことになるので要注意!

カチオン系モルタルを塗り終わったスタイロフォーム

完全に隙間なく塗る必要はありませんが、造形用のモルタルが定着しにくそうな部分にはしっかりと塗ります。全体的に塗り終えたら完全に乾燥するまで放置します。

造形用モルタル「ギルトセメント」で造形

ギルトセメントを塗る

次に造形用のモルタルを塗っていきます。ここでもやはり秘技・手塗りによって塗っていきます。最初は細かな部分は気にせず大雑把に塗る感じで塗っていきます。擬岩バックボードはいかに自然の岩肌に近い造形ができるかがポイントになってきますが、コテよりも手塗りの方が細かい造形も可能なのでよりリアルな擬岩を作ることができます。

造形用モルタルには「ギルトセメント」というモルタルを使用しています。水で混ぜるだけですぐに使えるのでオススメです。

ギルトセメントを塗る2

シェルターの裏側になる部分は塗りにくい部分なのですが、下地に塗ったカチオン系モルタルのおかげでかなり定着してくれます。

造形用モルタルのディテールの作り込み

全体的にギルトセメントを塗り終えたらテクスチャを作り込んでいきます。リアルな岩肌を再現する方法は色々ありますが、今回は金たわしを使いました。

造形モルタルのテクスチャを金たわしで作り込む

特に難しいことはしません、ただただ金たわしでポンポンするだけです。たったこれだけでもリアルな岩肌を再現することができます。あとはカッターで亀裂を入れたり部分的に凹凸を足したりして理想の岩肌に造形していきます。

造形が完了したギルトセメント

凝り始めるとどれだけ時間があっても足りず、今回は4台同時製作なので丸一日かかってしまいました。納得いくまで作り込めたらまたまた数日間放置して乾燥を待ちます。

シーラーを塗る

塗装用シーラー

ギルトセメントを放置して数日後、完全に乾燥したら着色の準備に入ります。ギルトセメントに塗料を塗りやすくするためにシーラーを塗ります。

塗装用シーラーを塗る

擬岩は凹凸を激しめにしたのでかなり塗りにくいですが隅から隅までしっかりと塗っていきます。凹凸が激しい部分に塗るときは刷毛の先で軽く叩くように塗っていくと凹凸の奥までシーラーを塗ることができます。塗り終えたら2〜3時間ほど乾燥させます。

着色

テクアートカラー

シーラーが乾いたら着色に突入です。塗料にはテクアートカラーという水族館や動物園、テーマパークなどの擬岩でも使われている塗料を使用しました。

灰色系の擬岩もリアルで良いのですが、4台並ぶと部屋が暗くなると思い今回は4台とも白系の擬岩に統一することにしました。

濃い部分を塗る

まずは一番暗い色を調色して影になりそうな部分に塗っていきます。上から明るい色を重ねていくので最終的にあまり残りませんが、この工程があるのと無いのとでは仕上がりが全く違ってきます。

中間色を塗る

次に中間色(薄いベージュ)を全体的に塗っていきます。先ほど塗った濃い色が乾く前に上から塗ることでいい感じに混ざり合ってくれます。

エイジング塗装

中間色を全体的に塗り終えたらエイジングに入ります。思い描く完成図に近づくように色を重ねていきます。

エイジング塗装2

私の場合は一度汚した上からハイライトになる部分にホワイトを塗り、また汚してはホワイトを重ねていくという工程を繰り返します。そうするとかなり奥行きのある塗装に仕上がります。

ハイライトで仕上げ塗装

仕上げにハイライトになる部分にホワイトを塗ります。明るめのバックボードにしたいのでやや多めにハイライトを入れました。塗料は乾燥前と乾燥後でも雰囲気がガラッと変わるので、一晩乾燥させてみてイメージ通りに仕上がっていたら完成です。

完成

擬岩バックボード完成

モルタル擬岩のディテール

モルタル擬岩のディテール2

モルタル擬岩のディテール3

まとめ

最近ようやくバックボードの材料や作り方が定まり以前に比べるとかなり効率よく製作することが出来るようになりましたが、それでもかなりの時間と労力が必要な作業です。

しかしここまで頑張ればあとはケージに設置するのみ。次回はついに木製ケージに擬岩バックボードを設置します。

カチオン系モルタルをこねる
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