冬になるにつれてどんどん気温が下がり、爬虫類にとっては厳しい季節がやってきます。特に真冬はケージ内の保温に気をつけなければなりません。
我が家のフトアゴヒゲトカゲのケージは全て保温球と暖突Mを併用して保温しています。爬虫類の保温器具の中でも定番中の定番なので使用している人も多いと思いますが、今回はこの暖突について詳しくご紹介します。
暖突とは?
爬虫類のケージ内を暖める事ができるヒーター型の保温器具です。サイズのバリエーションも多いため、様々なケージサイズに合わせて設置する事が可能です。
サイズ別スペック表
サイズ | 消費電力 | 適応ケージサイズ | |
---|---|---|---|
暖突S | 約19.1×14.1×2.1cm | 13W | 450mm幅 |
暖突M | 約25.4×20.4×2.1cm | 32W | 600mm幅 |
暖突ロング | 約40.0×14.1×2.1cm | 32W | 600mm幅 |
暖突L | 約40.0×25.0×2.1cm | 57W | 600〜900mm幅 |
暖突特大 | 約40.0×60.5×2.1cm | 280W±10% | 大型ケージ |
消費電力が低いが本体が高い
上記スペック表の通り、保温球に比べると消費電力が低いのが特徴的です。通常900mm幅のケージには100Wの保温球を使用する事が多いと思いますが、暖突Lサイズと比べると43Wの差があります。
しかし保温球に比べると本体の価格が高いため、一概に経済的とは言い切れません。
省スペース
暖突は全サイズ厚みが約2cmと薄型で、ケージ上部(天面)に設置するため全く場所をとりません。存在感が半端ない保温球に比べると本当に省スペースです。
表面が不織布に覆われているので安全
暖突の表面は99℃と高温になるのですが、不織布で覆われているため直接触っても熱を感じません。不思議です。
爬虫類以外にも使用可能
暖突は爬虫類以外のペットにも使用可能です。ハリネズミ・ハムスター・インコなどによく使用されているようです。雨でずぶ濡れになったスニーカーも結構乾きます。
設置が簡単
暖突は金網などのメッシュ状の天面であれば付属のビスで簡単に設置する事ができます。設置に必要なドライバーも付属されているのも親切ですね。
見ただけでは保温しているかどうかがわからない
暖突は保温中、うんともすんとも言わず無音で熱を発し続けます。そのため、万が一故障していても見た目では判断できないため、定期的に実際に触れて確認する必要があります。
保温効果はそれほど高くない
暖突各サイズ(特大以外)のパッケージにはそれぞれの効果を検証した結果が記載されています。
温度 | 温度差 | |
室温 | 20℃ | |
暖突不織布表面温度 | 99.0℃ | +79.0℃ |
暖突下10cm | 29.9℃ | +9.9℃ |
暖突下20cm | 24.5℃ | +4.5℃ |
暖突下30cm | 24.0℃ | +4.0℃ |
検証結果では暖突下30cmまでの温度差しか書いていませんが、45cmほど高さがあるケージの場合はもっと保温効果は薄れるでしょう。
特に室温が20℃を下回るような冬場のガラスケージの場合は底冷えも厳しくなります。平面的なレイアウトのケージだと暖突のみでの保温効果はほとんど期待できないため、保温球やパネルヒーターとの併用が必要になってきます。
設置方法
専用のビスで設置
暖突には専用のビスとドライバーが同梱されているのですぐに設置して使用する事ができます。
ガラスケージの蓋によく使用されている目の細かい金網に設置する事ができますが、少し金網に穴が空いてしまいます…。
S型金具で設置
自作した木製ケージへ設置する場合はホームセンターに売っているS型の金具・ボルト・ナットを使用して設置する事ができます。
暖突を固定するのではなく差し込む形になるので、落下防止のため結束バンドでコードを固定すると安全です。
立体的なレイアウトでより効果を発揮
前述した通り単体では保温力は高くありません。平面的なレイアウトだと底まで熱が十分に伝わらない場合もあるので、流木などで出来るだけ立体的なレイアウトにする事で保温効果を高める事ができます。
まとめ
我が家では現在4台暖突を使用中です。保温力は高いわけではありませんが、保温球のパートナーとしてなくてはならない保温器具となっています。
もちろん暖突なしでも爬虫類は飼育可能ですので、それぞれの飼育環境に合わせて最適な保温器具を設置しましょう。