フトアゴヒゲトカゲの魅力の一つにハンドリングがあります。
ハンドリングとは動物に触れたり手に乗せたりすることなのですが、フトアゴヒゲトカゲは爬虫類の中でもハンドリングしやすい種類だと言われています。
しかし全ての個体がハンドリングできる訳ではなく、慣れていないと人を恐れて寄りつかなったり威嚇してくる場合もあります。そして無理矢理ハンドリングしようとすると人を敵視するようになり二度とハンドリングできなくなる恐れも…
そこで今回は僕が4匹のフトアゴヒゲトカゲを飼育しながら学んだ、ハンドリングしやすい個体に育てる方法をご紹介します。
フトアゴは人になつく?懐かない?
我が家のフトアゴたちをインスタやツイッターにアップすると、「どうすればそんなに懐くのですか?」とよく聞かれます。
個人的な意見としてはフトアゴは人には懐きません。
名前を呼んだからって駆け寄ってきませんし、目が合っても基本的に無視。寄ってくる時といえば餌の時だけ。悲しいかな、フトアゴたちからすると「たまにご馳走を運んでくる巨大な何か」という程度の認識なのでしょう。
そんな我が家のフトアゴたちが人に懐いているように見えるのは人にベタ慣れしていて簡単にハンドリングできるからだと思います
様々な性格のフトアゴがいる
フトアゴヒゲトカゲはとても個性豊かなトカゲです。肝が座っていて何にも動じない性格の個体もいれば臆病で人が苦手な個体もいます。
我が家のフトアゴたちの場合…




このように小さい頃から同じ育て方をしても、性格によって人に対する反応もバラバラです。
幸い我が家ではみんなハンドリングできますが、ハンドリングができない場合もあるという事をしっかりと理解しておきましょう。
人に慣れさせよう
フトアゴヒゲトカゲをハンドリングする前に、人に慣れさせることが重要です。
人慣れてしまえばハンドリングのハードルはかなり下がるので、まずは焦らずに人に慣れさせることから始めましょう。
ストレスを与えない
僕がもっとも気をつけたことは、生体にストレスを与えないこと=生体が嫌がることは絶対にしないという事です。
特にお迎え直後のフトアゴヒゲトカゲは、環境にも不慣れでとても神経質になっています。ケージの中をジロジロ見たり、無理にハンドリングせず、環境に慣れるまではそっとしておいてあげましょう。
また「人に慣れていない生体は積極的にハンドリングした方が良い」という意見もありますが、僕はオススメしません。
もちろんその方法が通用する場合もあるかもしれませんが、逆に二度と人に寄り付かなくなる場合もあります。
生体の性格を見極めながら、ストレスをかけない飼育を心がけましょう。
人が見える場所で飼育する
我が家では、当初ギドラ氏とどんぐり氏は人がいつも見えるリビングで、きなこさんとハテナはたまに人が見える部屋で飼育していました。
ある日、各ケージのメンテナンスのためにそれぞれハンドリングしてケージから出そうとした時、完全無抵抗で連行されるギドラ氏とどんぐり氏に対して、きなこさんとハテナは少し嫌がるそぶりを見せました。
性格の違いもあると思いますが、その後同じリビングに引っ越してから明らかに改善されました。
常に人が見える環境で飼育する事も人慣れに影響するようです。
人の手に慣れさせる
フトアゴヒゲトカゲからすると、いきなり見知らぬ巨大な手が迫ってきて体を掴まれるのは恐怖でしかありません。
しかし『手は危険ではない、むしろ良い奴だ』と思わせることができればハンドリングのハードルがかなり下がります。
具体的にどうやって手に慣れさせるのかというと、もっとも効率が良いのは給餌を利用した方法です。
step
1手から餌を与える
まずは普段の給餌のときに手で与えるようにします。手から食べてくれる様になればSTEP1はクリアです。
手からなかなか食べてくれない時は、空腹時にケージの外から餌皿を見せて少し焦らしてから手で与えると効果的です。
餌はできれば野菜がいいのですが、野菜を食べない場合はコオロギなど大好物でOKです。
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2手に乗せて餌を与える
手から餌を食べる様になったら次は手の上で餌を食べさせます。
この時は野菜ではなく大好物のコオロギが効果抜群です。
手順
- フトアゴの目の前に手のひらを差し出す。
- コオロギをチラつかせて手のひらに誘導する。
- 手のひらに乗ってからコオロギを与える。
- 一度手から降ろしまた繰り返す。
と、至ってシンプルで原始的な作戦ですが、効果は抜群です。ベビー時代にとても臆病だったどんぐり氏はこの作戦で激変しました。

手からコオロギが出てくると思っているハテナ。
特に成長期のフトアゴヒゲトカゲはこれを習慣にすると、手を出しただけで反応して乗ってくる場合もあります。
この方法は人を怖がらない性格であれば簡単にクリアできますが、臆病な性格だと少し時間がかかるかもしれません。
毎日少しずつでも良いので、焦らずじっくり慣れさせていきましょう。
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3積極的にケージから出す(部屋んぽ)
フトアゴヒゲトカゲの性格にもよりますが、ケージから出たがる個体は積極的に出してあげましょう。
部屋んぽというやつですね。
好奇心旺盛な個体は自由に部屋んぽさせる事で警戒心が薄れ人慣れに繋がり、さらに運動不足の解消にもなります。
しかし臆病な個体は無理して出すと逆効果になってしまうので要注意です。
部屋んぽ前に床に誤飲してしまいそうな物が落ちていないか必ず確認しましょう。
人慣れすると自ら乗ってくるかも?
フトアゴヒゲトカゲがケージの外に出たくてガラスをカリカリと引っ掻いている時は絶好のハンドリングチャンスです。
よく人慣れした個体なら自ら手に乗ってくる事もあります。これも地道に人慣れさせた努力の賜物です。
ちなみに我が家のハテナは手に乗ってくるだけではありません。
ある日ガラスをカリカリして外に出たそうだったので手を差し出しました。
するとこのように手に近づいてきます。いつもだとこのまま手を伝ってよじ登ってくるのですが、なんだかいつもと様子が違います。目線が全然手の方を向いていません。というか、こっちを見てます。
ん?なんか…飛ぼうとしてない…??と思ったその時…。
飛んだーーーーーー!!
そして肩に着地。肩乗りトカゲ誕生の瞬間です。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲをハンドリングしやすくしておくと、ケージの掃除の時や動物病院の診察時など様々な場面でとても助かります。またスキンシップの楽しみも増え爬虫類ライフをよりエンジョイできるでしょう。
しかし無理は禁物です。個体の性格を見極め、臆病な性格の場合はくれぐれも焦らずにじっくりと人慣れさせていきましょう。
フトアゴヒゲトカゲについてもっと詳しく知りたい方は「フトアゴヒゲトカゲまとめ」ページをご覧ください。
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フトアゴヒゲトカゲまとめ
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