溶岩プレートのすすめ
溶岩プレートとは?
文字通りプレート状の溶岩石です。フトアゴヒゲトカゲを飼う前はあまり馴染みが無く詳しく知らなかったのですが、世間では焼肉やバーベキューで使用するプレートとして出回っています。溶岩プレートを使ってお肉を調理すると格別に美味しく焼き上がるそうです。
こんな記事を読んでしまったら溶岩プレートでバーベキューをしたくなりますね。それでは溶岩プレートはどのような特性を持っているのでしょうか?
溶岩プレートの特性
- 熱を吸収しやすく暖まりやすい
- 保温力が高い
- 遠赤外線効果がある
- プレート状になっている
この溶岩プレートの特性を活かせばバーベキューだけではなくフトアゴヒゲトカゲなど爬虫類の飼育にもとても有効活用する事が出来ます。
溶岩プレート活用例
バスキングストーンとして使う
フトアゴヒゲトカゲなど爬虫類にとって重要な役割を持つバスキング(日光浴)ですが、溶岩プレートの特性はバスキングストーンに非常に適しています。
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溶岩プレートは非常に熱吸収がよく、冬場でもすぐに暖まりますs。ワット数の少ないバスキングランプでも十分な熱を帯びてくれるため、無駄にケージ全体が暖まりすぎる事も無く温度勾配をつけやすくなりフトアゴヒゲトカゲにとって快適な温度環境を作る事が出来ます。
プレート状になっているのでお腹から生体を暖める事が出来るのも大きな魅力です。さらに遠赤外線効果で体の芯からも暖める事が出来ます。この姿を見る限り相当気持ち良いのではないでしょうか。
バスキングランプ直下だけでなく、少し離れした場所などに複数設置する事でバスキングスポット周辺に温度勾配をつける事ができ、フトアゴヒゲトカゲが一番気持ちよい温度の場所を選んでバスキングする事が出来ます。
このように溶岩プレートは重ねて使うのもお勧めです。ただ溶岩プレートは重量が軽いのであまり重ねすぎるとスライドしてしまう恐れが有ります。高積みは避けた方が良いでしょう。
ベビーの飼育にも溶岩プレートは非常にお勧めです。温度の面でも優れていますが、表面がゴツゴツしているので脱皮時の補助にもなります。また温浴と同じ効果があるのか、プレートの上でプリッと糞をするので要注意です。
また溶岩プレートは保温力も高く、バスキングランプ消灯後もしばらく暖かさを保つので生体が離れようとしない事もあります。そういう時は放っておきましょう。
天然石の補助として使う
メタハラ等ランプと生体の距離をとる必要が有る場合、天然石は単体だとバスキングスポットが暖まりにくいことがあります。その場合は天然石の下に溶岩プレートを敷く事で絶妙な温度に調整する事が出来ます。現在我が家ではギドラ氏とどんぐり氏両方のバスキングスポットをこのシステムで構築しています。
特に大きな天然石を使いたい時にも溶岩プレートを併用すると抜群の効果を発揮します。小さな溶岩プレートを数枚敷く事で床暖房状態にしてバスキングスポット全体の温度を底上げするイメージです。こうすることでバスキングスポット内にも温度勾配もつける事が出来ます。
日光浴に使う
これから本格的な冬を迎えると気温が下がり外での日光浴が難しくなります。ケージ内にバスキングスポットがあれば必須と言う訳ではありませんが、やはり天気の良い日は太陽の下で日光浴させてあげたいところ。
そうなってくると室内の日が当たる場所で日光浴させる事になるのですが、そんな時に溶岩プレートが大活躍します。
室内の日が当たる場所に溶岩プレートを設置して、同じ位置のフローリングの温度をサーモガンで測ってみたところ37.4℃でした。
まぁ、これだけ暖まっていれば十分なのですが…。次に溶岩プレートの温度を測ってみました。
すると42.6℃と、何と5℃も温度が上がりました。日光浴中のどんぐり氏は溶岩プレートから離れようとしないので心地よい温度なのでしょう。
室内でガラス越しで日光浴をさせる場合、種類によっては紫外線をほとんどカットしてしまうガラスもあります。また、ガラスを開けて日光浴させる場合は、外から冷たい空気が入ってくるので保温球を使うなど温度管理に要注意です。
溶岩プレートの注意点
怪我の危険性
溶岩プレートには孔が深く空いているため稀に爪が引っかかってしまい爪が欠けてしまったり飛んでしまう恐れもあります。特にケージ内で活発に動き回るような生体への使用には注意が必要です。
高温になりすぎないように注意
溶岩プレートは温度が上がりやすいので生体に触れさせる前にテストして温度が適切かどうか確認する必要が有ります。単体で扱う場合、35℃〜40℃くらいになるようにバスキングランプとの距離を調節して下さい。
糞の掃除が大変
特にベビーの飼育に使う場合、気持ち良くなってプレートの上でよく糞をします。溶岩プレートは小さな孔がたくさん空いているので中に糞が入ってしまうと拭き取る事が出来ず、洗浄する必要が有ります。メンテナンスの事を考えると予備をストックしていた方が楽でしょう。
濡れると乾きにくい
溶岩プレートを水洗いすると孔に水が染み込み、プレート内部まで濡れてしまいます。真夏なら天日干しすれば乾きますが、それ以外の季節はなかなか乾きません。
その場合、天日干ししてある程度乾燥させた後バスキングランプで半日くらい照射すれば乾きやすいです。その際、溶岩プレートの下から水分が滲んでくるのでペットシーツを敷いておくと良いでしょう。
粉塵が出てくる
溶岩プレートは性質上、プレート内部の無数の孔から粉塵が出てきます。これは1度の洗浄だけでは落としきれず、使用していくうちに徐々に出てくるので購入してしばらくは粉塵に悩まされるかもしれません。特に何も処理されていない溶岩プレートの粉塵は凄まじいので、購入後は使用する前に適切な処理をする必要があります。
溶岩プレートの入手方法
爬虫類ショップで買う
フトアゴヒゲトカゲ等の爬虫類のバスキングに適した溶岩プレートはなかなか入荷しないようで、根気強くショップに通う必要があります。熱帯魚を扱っているショップでもたまに見かけますが、薄かったり小さかったりとバスキングに適しているかどうかは微妙な所です。
バーベキュー用の溶岩プレートを購入する方法もありますが、上に乗るフトアゴヒゲトカゲはいつ食べられるのかと気が気じゃないでしょう。
使用前に
購入したばかりの溶岩プレートはかなり汚れているため、必ず洗浄・消毒してから設置します。
用意するもの
- 熱湯
- 重曹
- ブラシ
- トレイ
用意したトレイに重曹と熱湯を入れて溶かします。そこに溶岩プレートを入れてしばらく放置し、触れても大丈夫なくらいに温度が下がったらブラシで表面をこすり洗いします。
まとめ
爬虫類ショップで偶然発見し試しに購入してみた溶岩プレートですが、今ではフトアゴヒゲトカゲの飼育に必須アイテムとなっています。特に冬場になると外気温が下がり温度計が示す温度が適正な温度でもフトアゴヒゲトカゲの活性は下がります。溶岩プレートの特性を活かして少しでも生体に優しい環境作りをお勧めします。