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爬虫類の木製ケージ製作
フトアゴヒゲトカゲ・リクガメ・レオパなど爬虫類の木製ケージをオーダーメイドで製作しています。生体に優しいSPF材(無垢材)をメインで使用し、ご希望に合わせて塗装や特殊仕様などのカスタムも可能です。

爬虫類飼育にオススメの保温球(保温ランプ)を比較検証

爬虫類の保温球の選び方

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目次

フトアゴヒゲトカゲの保温球を見直す

フトアゴヒゲトカゲ等の爬虫類を飼育する上で欠かせない保温球(保温ランプ)は、バスキングランプが消えてから主に夜間のケージ内の温度を保ってくれます。特に冷えこみ始める秋から冬にかけては日中の保温にも活躍してくれるので、保温球の選び方には慎重になる必要があります。

爬虫類の保温球でよくみかけるのが赤いタイプの保温球です。爬虫類には赤い光が見えないので夜間でも生体にストレスをかける事無く保温が出来ると言われていますが、ギドラ氏には確実に赤い光が見えているため保温球を見直す事にしました。

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保温球選びで重視したいポイント

保温力の高さ

まず重視したいのが保温力の高さ。各メーカーの保温球はワット数によって温度をある程度調整できますが、やはり電気代の事を考えると少ない消費電力で保温力の高い物を使用したいと思います。

生体の睡眠を妨げない光

赤いタイプの保温球はギドラ氏のように影響を受ける生体がいるのは確かです。もちろんここまで普及しているので大半の生体には見えていないのだと思いますが、個人的には避けたいと思います。

ケージ全体を保温できる

保温球には集光タイプ散光タイプがあります。集光タイプは部分的に暖める事が出来るのでケージ内に温度勾配をつけやすくなり、散光タイプはケージ全体を暖めやすくなります。生体が寝ている夜間の保温になるので温度勾配は必要ないと判断し、ケージ全体を暖める事が出来る散光タイプを使用したいと思います。

保温球の候補をピックアップ

上記の条件を元に各メーカーの保温球を調べ上げ、二つの保温球をピックアップしました。

ビバリウム ムーンシャワー(ポゴナクラブ)

ビバリウム ムーンシャワー 100W

ポゴナクラブという国産メーカーが発売元の国産の保温球です。散光タイプなのでケージ全体に暖かさが広がります。

ビバリウム ムーンシャワーの光

月の光をイメージしているとのことですが、実際に点灯してみると確かにかなり優しい光でした。他のメーカーにも似たような商品があるのですが、「ムーンシャワー」だけ微量のUVAを照射している点が決め手となりました。

エミート NEO CL(ビバリア)

エミート NEO

「エミート NEO CL」はセラミックヒーターなので正確には保温球ではなく保温ヒーターになります。セラミックヒーターは電球タイプとは違い、光を一切放つ事がありません。

発熱後のエミートNEO CL

セラミックヒーターは通常光を放たないため、点灯しているのかしていないかが見た目では判断できません。しかしこの「エミート NEO CL」は発熱時に色が変わり正常に動作しているかがわかるため、万が一故障しても早期に発見する事が出来ます。

また「エミート NEO CL FLAT」という高さの低いケージに設置できる姉妹品も発売されていて、環境によって使い分け出来るのが嬉しいですね。

温度測定し保温効果を比較

スペック比較

ピックアップした保温球の保温力や保温範囲などを調べるため、実際にケージを保温してみて温度を測定してみます。測定する保温球のスペックはそれぞれこんな感じです。

参考のため以前使用していたZOOMEDの「インフラレッド ヒートランプ」も比較します。
商品名 ワット数 メーカー サイズ(幅X奥行X高さ) 重さ
インフラレッドヒートランプ 100W ZOOMED  10.9×7.9×7.9cm 43g
ムーンシャワー 100W ポゴナクラブ  7×12.7×7cm 65g
エミートNEO CL 100W ビバリア  8.5×8.5×11cm 230g

保温球のサイズを比較

どの保温球も100Wなのでそこそこのサイズがあり、形もさまざまなのでどれも一長一短と言った印象でした。しかし手に取ってみると「エミート NEO CL」は圧倒的に重かったです。

温度測定環境

保温球の効果を検証

使用するケージは600幅のガラスケージで、床材にはサンドマット、バックボードに炭化コルクを設置しています。

保温球はケージの左奥に真っ直ぐ下を向くように設置し、温度計はケージ真ん中手前(Aスポット)・ケージ右手前(Bスポット)・ケージ右奥(Cスポット)の三カ所に設置しました。

室温とケージ内が同じ温度になったら保温球のスイッチを入れ、30分間5分ごとにAスポット、Bスポット、Cスポットの温度を測定します。

測定結果

室内温度の変化により測定開始温度に多少の誤差があります。

インフラレッド ヒートランプ

インフラレッド ヒートランプの測定結果

まずは参考となる「インフラレッド ヒートランプ」です。集光タイプの保温球なので、保温球に近いAスポットの温度が最も上がり、最高温度28.5℃まで上がりました。

ムーンシャワー

ムーンシャワーの測定結果

散光タイプの「ムーンシャワー」は多少の温度差はあるものの、全スポット均一に温度が上がっているのがわかります。「インフラレッド ヒートランプ」に比べるとやや温度が上がるのがゆっくりなのと、最高温度もAスポットで27.3℃と1℃以上低い結果になりました。

エミート NEO CL

エミート NEO CLの測定結果

セラミックヒーターの「エミート NEO CL」は他の保温球に比べて暖まるまで時間がかかるのがよくわかります。点灯から10分経ってやっと他の保温球と同じくらいの温度まで上がっていますが、10分以降は急激に温度が上がり最高温度は「ムーンシャワー」を越える28.2℃まで上昇しました。

Bスポットの最高温度が「ムーンシャワー」のAスポットよりも高い所をみると単純に保温力では「エミート NEO CL」の方が高いという結果でした。また保温球に比べてセラミックヒーターはスイッチを切った後も保温が長続きするようで、なかなか冷めませんでした。

結論

サーモスタットで温度管理している我が家では温度上昇に時間がかかる「エミート NEO CL」は不向きと判断しました。一方「ムーンシャワー」はケージ全体をスムーズに暖めてくれるので理想的な保温球と言えるでしょう。弱点である保温力不足を暖突等の保温器具でカバーする事で抜群のパフォーマンスを発揮してくれそうです。

ただ「エミート NEO CL」の保温力の高さはとても魅力的です。今回の測定は30分間でしたが、恐らく測定を続けていればもっと温度は上がっていたと思います。900幅以上の広いケージを使用する場合や、気温が低い地域で使用する場合は「エミート NEO CL」の方が向いているようです。

比較検証した結果、我が家では「ムーンシャワー」を採用を決め、早速ギドラ氏のケージに設置してみました。

消灯後にムーンシャワーを使用したギドラ氏のケージ

以前使用していた「インフラレッド ヒートランプ」に比べると違いは一目瞭然。暗闇で使用するとさすがに明かりは視認できますが、保温球だけがぼんやり光っている感じでケージ内はほぼ真っ暗。全く起きる気配はありません。

消灯後にムーンシャワーを使用したどんぐり氏のケージ

彼に関してはそもそも部屋の電気をつけても全く起きないので心配ありません。

ギドラ氏のケージがとても良い感じだったのでついでにどんぐり氏のケージにも設置しました。以前このケージではジェックスの「ナイトグロー ムーンライトランプ」を保温球に使用していましたが、「ムーンシャワー」の方が光が弱く暗い印象です。懸念していた保温不足ですが、暖突を設置していないにも関わらず十分ケージ内は暖まっているようです。

万一の故障に備え暖突やパネルヒーターとの併用を強く推奨します。

まとめ

我が家では今回「ムーンシャワー」を採用しましたが、ケージのサイズ・併用する保温器具・地域等それぞれの環境に合わせて長所を活かせる保温球を選ぶのがベストだと思います。もし保温球選びにお悩みでしたら今回の測定結果を参考に保温球を検討してみて下さい。

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